NOTES
技術ノート
RF・マイクロ波の設計で繰り返し出てくる考え方を、実務の判断に結びつく形で書いています。
ブラウザで動く電磁界シミュレータ — モーメント法で何が見えるか
平面回路をモーメント法で解く電磁界シミュレータをブラウザ上で公開しています。使い方と、直線・ギャップ・接地スタブの 3 つのプリセットから実際に何が読み取れるかを、数字で確かめます。
電磁界シミュレータの中身 — 計算メッシュと、数字を信じるための検証
定性的なテストを通っていたシミュレータに、容量が最大 40 % 小さく出る誤りが潜んでいました。メッシュの切り方と収束試験、表示電流の落とし穴まで、数字を信じるために何を確かめたかをまとめます。
ブラウザで密行列を速く解く — 適応周波数掃引と WebGPU の混合精度
モーメント法の密行列を、ブラウザの中だけで速く解くためにしたこと。周波数の点数を減らす縮約モデルと、倍精度の無い GPU で倍精度の答えを得る反復改良、そしてシェーダコンパイラの最適化が誤差計算を壊していた話です。
ピクセル形状の回路を解く — 論文の再現で分かった「角接触」の問題
生成 AI が設計したピクセル状のフィルタを、自作の電磁界シミュレータで再現しようとしたら、最初は信号がまったく通りませんでした。原因は「角だけで接するセル」です。モデル化の方法と、どこまで再現できたかをまとめます。
スミスチャートの読み方 — あの円は何を表しているのか
スミスチャートは反射係数の地図に、インピーダンスの目盛りを重ねたもの。円の正体と、覚えておくと現場で効く読み方を整理します。
L 型整合回路の設計手順 — 200 Ω を 50 Ω に合わせる
素子2つで整合が取れる理屈と、教科書値を実際に手で追う手順。あわせて、Q が帯域をどう決めてしまうのかを数字で確認します。
スタブ整合の実務 — 線路長とスタブ長をどう決めるか
100 Ω を 50 Ω に合わせる単一スタブ整合を、線路長とスタブ長まで数字で追います。解が2つ出たときにどちらを採るべきかも、帯域の数字で確認します。
共役整合とは何か — チャートの基準と、合わせたい相手は別物
50 Ω 正規化のチャートで 75 Ω や複素インピーダンスへの整合を設計する話。教科書が Z0 = Zt を暗黙に仮定しているせいで見えにくくなっている区別を整理します。
整合は S11 だけの問題ではない — リターンロスが隠すもの
リターンロス 22 dB で「合格」に見える回路が、実は電力の 14 % を熱にしている。S11 と S21 を並べて見るべき理由を、数字で確認します。
負荷モデルの選び方 — 「R + jX 一定」が設計を甘く見せる
設計周波数で同じインピーダンスでも、負荷のモデル化を間違えると帯域が倍近く広く見えます。実際に計算して差を確認します。
帯域が足りないときは段を増やす — Q を分担させる
変換比が大きいと L 型 1 段では帯域が足りません。2 段に分けて Q を分担させると帯域は広がりますが、代わりに上の方へ第2の通過帯域が現れます。
LC 共振素子を整合に使う — 整合を保ったまま高調波を落とす
並列 C をトラップに置き換えると、設計周波数の整合はそのままで第2高調波に深いノッチを立てられます。素子を増やさずに機能を1つ足す手です。
規格線の引き方 — 「範囲外」は合格ではない
設計の合否を数値ではなく規格線で判定する話。深いノッチを持つ回路を実際に判定すると、3つの規格のうち2つに落ちます。
Smith Match の使い方 — ドラッグで整合回路を設計する
ブラウザで動く整合回路デザイナーの使い方。素子を足してチャート上でドラッグすると値が逆算されます。これまでの記事の内容をひととおり試せます。